求人票で危ない会社を見分ける7つの表現

求人票で危ない会社を見分ける7つの表現

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転職サイトを開いては閉じる、を繰り返している人向けの記事です。

応募するかどうかを決める前に、求人票のどこを見ればいいのか。実際に出ている求人を100件ほど読んで、繰り返し出てくる書き方をまとめました。

見るのは、この7か所です。

  1. 勤務地が本社の住所で書かれている
  2. 固定残業代の内訳が書かれていない
  3. 給与レンジが2倍近くひらいている
  4. 「年間休日105日」と「週休2日」が並んでいる
  5. 業務範囲が「幅広い」で終わっている
  6. 選考基準が「やる気」になっている
  7. 「アットホームな職場」が単体で置かれている

どれも普通の会社が普通に使う書き方です。入っているから危ない、という話ではありません。見るのは表現そのものではなく、その表現が「何を書かずに済ませているか」のほうです。


1. 勤務地が本社の住所で書かれている

一番見落とされやすいと思っているのがこれです。

求人サイトの一覧で「東京都◯◯区」と表示されていた求人を開いてみたら、仕事内容の冒頭に「※本社は東京ですが、◯◯県で勤務いただきます」と書かれていました。アクセス欄の最寄り駅も、まったく別の県の駅でした。ついでに言うと、会社の登記上の本社所在地はさらに別の県でした。

これは違法でも何でもありません。ただ、東京で仕事を探している人の検索結果に出るように書かれているということです。

見るところは3つあります。

  • 一覧の勤務地と、詳細ページの「アクセス」欄の最寄り駅が一致しているか
  • 仕事内容の本文に「※」で始まる但し書きがないか
  • 「転勤なし」と書いてあるとき、どこに固定されるのか

2. 固定残業代の内訳が書かれていない

固定残業代(みなし残業)そのものは、悪い制度ではありません。問題は書き方のほうです。

固定残業代を採用している会社は、募集要項や求人票にこの3つを明示することとされています。

  • 固定残業代を除いた基本給の額
  • 固定残業代に関する労働時間数と金額等の計算方法(何時間分で、いくらか)
  • 固定残業時間を超える時間外労働・休日労働・深夜労働には割増賃金を追加で支払うという記載

青少年の雇用の促進等に関する法律(若者雇用促進法、2015年10月施行)にもとづく指針で示されているもので、青少年が応募する可能性のある募集・求人が対象です。

つまり、「月給28万円(固定残業代含む)」とだけ書いてある求人は、基本給がいくらなのかが分からない状態ということになります。書き忘れなのか、書きたくないのかは分かりません。ただ、確認しないまま進む理由もないと思います。

面接で聞くのが気まずいなら、応募前に求人サイトの問い合わせ機能から聞いてしまうのが早いです。答えられない会社なら、その時点で分かります。


3. 給与レンジが2倍近くひらいている

「月給26万円〜50万円」という求人がありました。「月給235,000円〜352,500円」というのもありました。

レンジがひらいていること自体は、経験者と未経験者を同じ枠で募集していれば普通に起こります。

ただ、未経験可の求人で上限が2倍近いとき、上限に届く人はほぼ想定されていないと考えたほうが、あとでがっかりしません。実際に提示されるのは下限の額です。

上限の数字が何を意味しているのかは、面接で聞けば分かります。「上限の50万円は、どういう経験と年次の方が該当しますか」と聞いて、具体的な人物像が返ってこないなら、それは募集用の数字だと思います。


ここまでの3つは、求人票だけでは確定しない項目です。実際の勤務地、固定残業の内訳、提示額がレンジのどこになるか。どれも応募前に聞けば出てくることがあります。

下は広告です。ここを経由して登録があった場合、この記事に紹介料が入ります。紹介する側は入社が決まってはじめて報酬になる立場なので、「この求人はやめたほうがいいですか」と聞く相手には向きません。聞き方と、相手を選ぶときの注意は記事の後半に書いています。

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4. 「年間休日105日」と「週休2日」

年間休日105日という表記は、求人サイトを東京都・正社員で絞っても非常に多く出てきます。珍しい数字ではありません。

ただ、105日というのは1日8時間・週40時間で働く場合の、ほぼ下限にあたる日数です。土日祝が休みの会社だと120日前後になるので、その差は年間で15日ほど。3週間ぶんの休みが違います。

それと、「週休2日」と「完全週休2日」は別の意味です。

  • 完全週休2日 → 毎週2日休める
  • 週休2日 → 月に1回以上、2日休める週がある

「週休2日」だけの記載なら、隔週で土曜出勤という可能性が残ります。これも面接で聞けば済む話です。

もうひとつ、「週休2日、年間休日120日以上」と書きながら、休日欄の下に「月毎のシフトにより休日が変動する場合があります」と添えてある求人がありました。休日の日数と、休日を選べるかどうかは別の話だと思います。


5. 業務範囲が「幅広い」で終わっている

複数の求人で、ほぼ同じ言い回しを見ました。

  • 「少人数の会社だからこそ、担当業務だけにとらわれず」
  • 「担当業務にとらわれず、スタッフ同士で協力しながら」
  • 「状況に応じてさまざまな業務に関わる機会があります」

書いてある内容は本当だと思います。少人数の会社では実際にそうなります。

見ておきたいのは、その「幅広い」がどこまでを含むのかです。ある求人では、応募資格の欄に「SNSによる情報発信ができる方」が入っていました。職種は事務とガイドです。

入社してから「これも私の仕事なんですか」と思う場面を減らしたいなら、面接で「入社1年目の方が実際に担当している業務を、時間の配分がわかる形で教えてください」と聞くのが確実です。1日の流れを書いてくれている求人なら、そこを読むだけでもかなり分かります。


6. 選考基準が「やる気」になっている

「アットホームな社風で伸び伸び仕事ができます。やる気のある方を優先します」という一文がありました。

やる気を見ること自体は、どの会社もやっています。ただ、求人票に書かれる選考基準が態度の話だけになっているとき、評価の基準もそうなっている可能性はあると思います。

何ができれば評価されるのかが決まっていない職場は、頑張っても評価が変わらない職場になりがちです。これは入ってからだと直せません。

求める人材の欄が「◯◯したい!」「◯◯な方!」だけで埋まっていて、必要なスキルや経験の記載がまったくない求人は、そこを面接で確認しておくと後が楽です。


7. 「アットホームな職場」は、単体では何も意味しない

最後にこれを置いたのは、この言葉だけで判断するのは違うと思っているからです。

「アットホームな職場」は、東京都の正社員求人に絞ってもきわめて多く使われています。これだけ広く使われている言葉が、特定の何かを示しているとは思えません。実際、家族経営で本当に居心地のいい会社もあります。

見るべきなのは、その言葉が何と一緒に書かれているかです。

たとえば、こういう組み合わせのときは、少し立ち止まったほうがいいかもしれません。

  • 「アットホーム」+ 給与レンジが広い + 固定残業代の内訳なし
  • 「アットホーム」+「少人数」+「幅広い業務」+ 年間休日105日
  • 「アットホーム」+「やる気重視」+ 具体的な業務内容が3行しかない

言葉ひとつではなく、書かれていない情報がいくつ重なっているかで見ると、だいぶ違って見えると思います。


それでも、応募しない理由にはなりません

ここまで7つ書いておいて言うのもなんですが、全部当てはまっている求人に応募してはいけない、とは思っていません。

求人票は採用担当が書いています。書き手が不慣れなだけということもありますし、社内の情報が集まらなくて書けなかっただけ、ということもあります。求人票が下手な会社が、働きにくい会社とは限りません。

私がこの記事で言いたいのは、「気になった点を面接で聞ける状態にしておく」ということだけです。

聞いて答えてくれるなら、それは判断材料が1つ増えたということになります。聞いても答えが返ってこないなら、それも判断材料です。どちらにしても、応募する前に読み解いておくと、面接の時間の使い方が変わると思います。

転職するかどうかは、この記事では決めなくていいです。

求人票から読み取れない項目について

ここまでの7つは、求人票に書いてあることから読み取る話です。ただ、書かれていないことのうち、面接まで待たなくても分かるものがあります。

その求人を扱っている側に聞く方法です。募集の背景、前任者がいたのか、決まらずに何ヶ月出ているのか。求人票には出てきませんが、紹介する立場の人は知っていることがあります。

ただし前提があります。紹介する側は、入社が決まってはじめて報酬になる立場です。「この求人はやめたほうがいいですか」と聞く相手には向いていません。聞くなら事実を聞く形にしたほうが、答えが返ってきます。

誰に何を聞くかは、相談先の違いを整理した記事に4種類に分けて書きました。

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出典と注記

  • 厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「固定残業代を採用する場合の明示事項」― 若者雇用促進法にもとづく指針で示された3項目(2026年9月12日確認)
  • 労働基準法にもとづく週40時間・1日8時間の上限(年間休日日数の計算根拠)

※ 記事内で引用した求人の表現は、2026年9月時点で実際に公開されていた複数の求人票から採録したものです。特定の企業を批判する意図はないため、社名は記載していません。
※ 求人の傾向は、2026年9月時点で東京都・正社員を条件に検索した結果にもとづきます。